大人のマナー vol.2 ふくさ

ものを大切に包む日本の美しい文化「ふくさ」について

「ふくさ」とは、元は貴重品などが収められた箱上に掛けられていた風呂敷状のものをいいます。その後、贈答品を運ぶ際の汚れや日焼け防止として用いられるようになりました。それがいつしか1枚の布地から、裏地付きの絹製で四方に亀房と呼ばれる房付きのものに変わり、慶弔行事の金品を贈る時の儀礼や心遣いとして広蓋(ひろぶた:黒塗りの盆)と併せて用いられるようになりました。

相手を思いやる気持ちの表現

ふくさを用いるのは、お金を汚さないようにという相手を思いやる気持ちの表れです。覆いの布を正方形にしてお金を包むという習慣は江戸時代にできあがったといわれています。現在では冠婚葬祭で、熨斗袋(祝儀袋・不祝儀袋)を包むのに使用されることが多いですね。受付で熨斗袋をバッグやスーツのポケットから、むき出しのまま出すのはマナー違反。ふくさに包んで持参し、ふくさからとりだして手渡しします。表書きを先方に向けて差し出しましょう。

ふくさの用途と色について

ふくさの種類

ふくさには、黒塗り盆に掛ける亀房付きの「掛けふくさ」、主に慶弔金を収めた金封を包む「小風呂敷(手ふくさ)」、簡易の切手盆(祝儀盆)とセットになった「台付きふくさ」、金封を挟み入れる財布状の「金封ふくさ(はさみふくさ)」などがあります。
ふくさは、漢字で「袱紗」と「帛紗」と表し、「掛けふくさ」などは「袱紗」、「小風呂敷・台付きふくさ・金封ふくさ」などの小さいサイズのものは「帛紗」と書き表します。

  • 「掛けふくさ」...四隅に房のついたもの。一般に広蓋・切手盆といった黒塗りの盆とともに使用します。
  • 「小風呂敷(手ふくさ)」...45cm~57cm程度の大きさの裏地の付いていない風呂敷のこと。裏地付きのものを袷ふくさと呼びます。
  • 「台付きふくさ」...台は表裏で祝いごと用とお悔やみごと用に使い分けられるようになっています。慶事には表に赤色がくるようにして使います。台を裏返せば、グレーまたは黒になっているものが多いので、弔事用として使ってください。
  • 「金封ふくさ(はさみふくさ)」...サイフ式で手軽に使えます。慶事用は右開き、弔事用は左開きになっています。

ふくさの色

慶びごとではエンジか赤色、紫など赤系統を用います。また、弔事では紺やグレーが一般的で、紫も用いられます。暖色系の明るめの色は慶事用、寒色系の落ち着きある色は弔事用と覚えておくと便利です。紫は慶事・弔事どちらも使えます。

  • お祝い事・慶事用/赤・橙・桃・えんじ・金・ローズ・紫(※)
  • お悔やみ事・弔事用/紺・深緑・灰緑・緑・うぐいす・灰青・グレー・紫(※)

包み方の作法

慶事での包み方

  • 1.あらかじめ祝儀袋を、ふくさ中央よりやや左の方へ寄せておきます。
  • 2.左を中に折り込みます。
  • 3.上をかぶせ、次に下をかぶせます。
  • 4.右を折り裏へ折り返します。左の上下に小さく三角形ができます。
弔事での包み方

慶事と弔事では包み方が逆になります。

  • 1.あらかじめ不祝儀袋をふくさ中央よりやや右の方へ寄せておきます。
  • 2.右を中に折り込みます。
  • 3.下をかぶせ、次に上をかぶせます。
  • 4.左を折り裏へ折り返します。右の上下に小さく三角形ができます。
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