ご近所銭湯のススメ

ふれあって、あったまる。

銭湯は不思議なところだ。名前も住んでいる場所も知らないのに、お客さん同士が自然に挨拶を交わしている。「今日は早いねえ」「明日は天気、悪いらしいよ」「足の具合はどうだい?」。銭湯でしか会わないのに、自然なコミュニケーションが生まれる。お互いが裸で、余計なものを脱ぎ捨てて、シンプルな人間関係をつくれる場所。それが銭湯なのかもしれない。
銭湯に行ったら、番台のおばちゃんとの会話もぜひ楽しんでほしい。「そういえば、角のおばあちゃん、この頃姿を見かけないねぇ、元気ならいいんだけど」「あぁ、娘さんのとこに行っているらしいよ」。番台のおばちゃんは情報通なのだ。

平日は家のお風呂に入り、週末は家族で散歩がてら近所の銭湯に立ち寄ってみてはどうだろうか。孫に背中を流してもらったり、帰り道、親子で赤ちょうちんに寄ったり。たまには夫婦で出かけて、かぐや姫の「神田川」の世界に浸るのもいいかもしれない。

銭湯によっては、開店前の時間を利用して脱衣所を開放し、体操教室やヨガ、切り絵や折り紙の作品展など、地域の人とのふれあいの場になっているところもある。とじこもりがちな高齢者を対象にした、さまざまなイベントを開催している銭湯もある。
人と人とがふれあえる。新たな出会いがある。開放的で人とのコミュニケーションが取りやすい。それが銭湯の魅力だ。

なつかしいって、あたらしい。

街のあちこちに銭湯が点在していた高度成長期。夕方になると石けんとタオルを抱えて人々が集まっていたあの頃。
今、その数は減ったけれど、のれんをくぐれば、そこにはあの頃と変わらない味わいがある。ノスタルジックな風景が、新鮮に映るのが不思議だ。まだまだ現役で活躍中の銭湯アイテムを紹介しよう。

タイル画

「ふっー、極楽、極楽」。これぞ銭湯という圧巻の眺めを愉しめるタイル絵。大型タイルに絵を描き焼成するため、湿気や水濡れで剥げ落ちることも無く、劣化も少ないのが特長。(美春湯)

体重の増減チェックは健康のバロメーター。その形は、薄型多機能体重計から業務用まで銭湯によって実に様々。目盛がメートル法のキログラムではなく、尺貫法の年代モノに出逢えるかも。(福の湯)

無骨な角張った革張りのイスではありません。疲れたあなたをゴリゴリと揉みほぐしてくれる、コイン式マッサージチェア。揉み玉の位置調整は、イスの横にあるリングをグリングリン廻して。(八軒湯)

風呂上がりの至福のひと時は、ほっかほかに温まった身体に、冷えた飲み物。フルーツ牛乳&コーヒー牛乳は、いつもの牛乳よりもちょっぴり贅沢な気分を味わえます。昔は紙蓋だったのになー。(錦湯)

通称お釜。「あー、あった、あった」。思わずつぶやいたあなた、年がばれますね。髪を乾かすという面倒な作業が、座っているだけで完了。スタイリングには向きませんが、温風に癒される時間をどうぞ。(錦湯)

温もりのある木製の札が鍵の下駄箱。鍵を掛けるときは扉を閉めて木札のキーを抜くだけ、開錠するときは木札のキーを差し入れるだけのシンプルさも魅力。(大豊湯)

なごやかに、すこやか。

健康にイイことイロイロ。

「あー、いいお湯だった」。大きなお風呂に入った後は、やっぱり気持ちいい。温泉に様々な効能があることは知られているが、実は近所の銭湯にも、心にも身体にもいいことがたくさんある。とある研究によればストレスを軽減するという結果も出ている。手軽に健康維持できる銭湯・ブラボーである。

大きな浴槽でリラックス

厚生労働省の研究班の調査では、大きな浴槽での入浴は、小さな浴槽よりも、リラックスしているときに出る脳波・アルファ波が増えるという結果が出ている。心からリラックスできている時は、記憶を回想する能力が発揮されるそうだ。ひょっとしたら、銭湯に浸かりながら忘れていた大切なことを思い出すかもしれない。

ストレス解消にぴったり

香りが身体に多くの効果を与えることは有名だ。札幌公衆浴場商業協同組合加盟店では月ごとに、菖蒲湯やコーヒー湯などの変わり風呂を用意している店舗がある。サウナやジェットバス、電気風呂などの設備を有している銭湯もある。心和らぐほのかな香り、肌を労わるお湯。バラエティにとんだ風呂は、より一層リラックス&リフレッシュできるはずだ。

湯船で身体を動かすと、副交感神経が活発になり、心身がゆったりする。銭湯の湯船には階段状に浅くなっている部分があるので、そこに腰掛け、半身浴や簡単な体操をするのもオススメだ。くれぐれも、周りの人の迷惑にならないよう配慮することを忘れずに。

引用:全国生活衛生営業指導センター作成冊子「健康入浴推進の手引き」より

マナーを守って、気持ちよく

  • ・体調が悪いとき、飲酒・食事直後の入浴は避ける。
  • ・浴槽につかる前に、かけ湯で体の汚れを落とす。
  • ・立ちくらみを防止するため、湯船へは、ゆっくり入り、ゆっくりあがる。
  • ・長い髪の毛は浴槽に浸からないように束ねる。
  • ・タオルを浴槽に入れない。
  • ・シャワーは使わない時は止める。
  • ・周りの人にシャワーが掛からないように配慮する。
  • ・脱衣所へは濡れた身体のまま上がらず、軽く拭いてから。
  • ・入浴後は、水分を補給する。

普通浴場入浴料金
・大人(12歳以上)440円
・中人(6歳以上12歳未満)140円
・小人(6歳未満・未就学児)70円

さっぽろ銭湯事情

家庭に風呂がまだ普及していなかった頃の銭湯は、ご近所同士が顔を合わせる井戸端会議の場だった。「時代の流れとともに少なくなりつつある銭湯だが、店舗ごとの個性的な取り組みや、お客様も入浴だけではない何かを求めて足を運んでくださっている現状がある。家の風呂と銭湯が対立軸として語られがちだが、実は利用者の95%以上は自家用風呂がある人たち」と安達さん。

高齢化社会において、コミュニティづくりはとても大切だ。独居の高齢者が増え、テレビを見て過ごし、誰とも話すことなく一日が終わるということも少なくない。
「銭湯に来れば道すがら近所の方に出会う。定期的に通うことで顔なじみもできる。何日か見かけなければ誰かが様子を伺う。そんな、地域密着型のおせっかいの場も銭湯の魅力」という。

お話し
北海道公衆浴場業生活衛生同業組合 副理事長
札幌公衆浴場商業協同組合 専務理事
安達 誠さん
http://www.kita-no-sento.com/index.html

加盟店一覧【銭湯一覧】
あなたの家の近くにもきっとある。
北海道公衆浴場業生活衛生同業組合加盟店一覧はこちら

入浴タイムをより快適に!

銭湯に持っていきたいお役立ちグッズ

身体が心地良くなるグッズ

家のお風呂を癒しの空間にするグッズ

協力:札幌ロフト
札幌市中央区北5条西2丁目 エスタ6階
011-207-6210(代表)

2014年冬号掲載 ※現在とは情報が異なる場合がございます。詳しくは各店舗へお問い合わせください。

ページの先頭へ