少しずつ春の景色へと変わりつつあるこの頃。「春眠暁を覚えず」という漢詩があるように、寒い冬から穏やかな季節への移り変わりは寝心地がよいもの。朝、起きて「よく眠れた」と自覚できれば気分もすっきり。人間が生きていく上で欠かすことのできない睡眠。この春、心地良い眠りに目覚めよう。

体内時計を整えて、快適な睡眠を手に入れる。

医療法人社団 内科・呼吸器内科 ねむの木クリニック 理事長 日本睡眠学会認定医 大久保敏彦さん
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良質な眠りは朝に始まる

睡眠時間は人それぞれ。成人の場合、個人差はあるものの、おおよそ6~8時間眠っている人が多いようです。「日本人の平均睡眠時間は、2010年の調査では7時間14分でしたが、睡眠時間は、加齢とともに短くなってゆくことが知られています。必要な睡眠時間の長さは、季節や体調によっても変わります。時間にこだわらずに昼間の生活で眠気に困らなければ大丈夫と考えてください」と、ねむの木クリニックの大久保敏彦院長。

「人間の体は、起床して活動を始めてから14時間~16時間で眠気が出やすくなってくるリズムがあります。休日に遅く起きると、リズムが後ろにずれてしまい、その夜の寝つきが悪くなって、翌日は睡眠不足になってしまいます」。

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深い眠りがよい睡眠とは限らない

私たちは眠っているとき、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)という2種類の異なる睡眠を交互に繰り返しています。ノンレム睡眠とレム睡眠が1組になっていて、その長さは約90分、それを朝まで何度か繰り返します。

ノンレム睡眠は深い睡眠で脳を休めるための睡眠。脳は眠っていますが、身体の筋肉には緊張があります。一方、レム睡眠は体の筋肉を休めるための睡眠で、身体の筋肉は緊張が取れ弛緩、脳は活発に活動していて、夢をみるのもこの時期が多いようです。朝が近づくにつれ起きる準備のために、レム睡眠の時間が増えてきます。「深い眠りの状態で無理やり起こされると、非常に眠く不快です。睡眠のサイクルを少し意識し、工夫することで快適に目覚めることができます」。睡眠科学に基づいた正しい知識を得ることが大切です。

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睡眠時無呼吸症って?

仕事や生活で心配ごとを抱えて眠れなくなるのは、誰しもが経験のあることで、このように眠れない理由がわかっている場合にはあまり心配はありません。しかし、自分では普通に眠っているつもりなのに、「疲れが取れない」「昼間眠くなる」ような場合には、一度睡眠について調べる必要があります。

「イビキがひどかったり、眠っているときに呼吸が止まっているとパートナーに指摘されたり、昼間眠くなるといった症状がある方は、睡眠時無呼吸症かもしれません」と大久保院長。シングルの人の場合、社員旅行などでわかることも多いとか。自分ではなかなか気づきにくいものですが、長時間眠っても日中の眠気で生活に支障がある場合は、専門医に相談することも解決の糸口のひとつです。

ぐっすり朝まで眠る術。自分に合った熟眠レシピ。

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熟眠感を得るコツ

ぐっすり眠れた感を得るには、時間ではなく、眠りの質が大切。寝つきを良くするためには、本を読む、音楽を聴く、好きな香りを嗅ぐ、ぬるめのお湯に浸かるなどリラックスできる方法を見つけましょう。肌触りの良い寝具にするなど環境を整えるのもオススメです。

また、布団に入っても、携帯電話やスマートフォンなどを操作する方も多いようですが、深い眠りを促すメラトニンは光を感じると分泌が抑えられてしまうので、操作するのは控えましょう。就寝前にスマートフォンなどをいじっていると、脳が興奮してしまいます。寝る前には脳はリラックスしていなければ、寝付きも悪くなりますし、眠りも浅くなります。一度興奮した脳を再びリラックスさせるには、長い時間が必要です。

翌朝、目が覚めたらまずは太陽の光を浴び、体内時計のスイッチを入れて、五感を刺激することで、身体が活動モードに切り替わります。いつも同じ時刻に朝食を摂っていると、その1時間ほど前から消化器系の活動が活発になるそう。スッキリ目覚めるために、熱めのシャワーを浴びたり、交感神経の働きを活発にし、覚醒作用のあるカフェインが含まれるコーヒーやお茶を摂取するのも良いでしょう。 規則正しい生活を心がけ、良質な睡眠と気持ちのよい目覚めを手に入れてください。

マドゥーラ倶楽部「眠りについて」アンケートから2014年1月7日(火)~2014年1月20日(月)(有効回答数95名)

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「よく眠れていますか?」という問いに対し、36.8%もの人が「いいえ」と回答。最近よく眠れていない、寝ても疲れがとれないと感じたら、まずは生活習慣をチェック。その上で、できるところから少しずつ改善してみましょう。マドゥーラ読者の皆さんのアンケート結果も参考にしてください。

快眠を得るために努力していること

●生活のリズムを整える●寝る直前のテレビ・パソコン・携帯電話をやめる●交感神経の働きを活発にするニコチンが含まれるタバコを寝る前には吸わない●深酒をしない●熱すぎるお湯には入らない●昼間、体を動かすようにする●ストレスをためない●シーツにいい香りをつけて洗濯する●ホットミルクやハーブティーを飲む

チェックしてみよう

眠りを味方にする。身体がよろこぶ寝具選び。

「高級ホテルの贅沢なベッドそのものの寝心地です」とスイートデコレーション大曲店の上田久美さん

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理想的な寝姿勢を保つ

寝具は、通気性・保温性・吸湿性・耐久性など、多くの快適性のチェックポイントがあります。例えばマットレスを選ぶ際には、全体に張りがあり、手で強く押さえた際に押さえたところだけが沈み込んでしまったり、スプリングの存在を感じるようなものは好ましくありません。また実際に寝て、寝心地を確かめてみることも重要です。寝返りが打ちやすく、揺れが続かないこと。背中や腰など部分的に沈み込んだりするものは良くありません。

「理想的なマットレスは体圧をマットレス全体で受けとめ、快適な寝姿勢を維持してくれます」とスイートデコレーションを展開する長谷川産業株式会社商品本部バイヤーの菅沼陵さん。

シングルサイズマットレスを2台並べたベッド。寝返りをうっても、隣の人に振動が伝わりません

シングルサイズマットレスを2台並べたベッド。寝返りをうっても、隣の人に振動が伝わりません

眠りの質と寝具の関係

夜中に何度も起きてしまう、朝起きると身体が痛い。それは寝具に原因があるのかもしれません。健康で心地よい眠りのためには、自分に合った寝具を選びましょう。「ひとつひとつのコイルが独立した点となって睡眠中の身体を支えるポケットコイルマットレス。

このポケットコイルを開発したのが、世界各国のホテルで使用され有名なシモンズです。自然で快適な寝姿勢を保つので翌朝の心地よさが違います」と菅沼さん。寝心地を重視するホテルなどでは、マットレスとボトムクッションを組み合わせたダブルクッションが主流です。体圧分散に優れ、適度な弾力性、かつ通気性や耐久性に優れていることも選ばれる理由です。

理想的な枕の高さを選んで、ぐっすり快眠

理想的な枕の高さを選んで、ぐっすり快眠

環境を整えるアイテムがいっぱい

札幌の羊ヶ丘通り沿い、インターヴィレッジ大曲の2階にあるスイートデコレーション大曲店は、約2500坪のフロアで、可愛らしい雑貨から家具まで3万のアイテムを取り扱っています。「大曲店は、スイートデコレーションのこれまでのやさしい・かわいい・きれいというコンセプトに加え、ワンランク上の国内一流メーカーの家具や、道内作家の作品などを取り扱っています。北海道を代表する旭川家具のコーナーなどもあります」と菅沼さん。

また、テーマが異なる10の部屋があり、お部屋に配置した時のイメージが湧きやすいように家具や食器などが展示されているコーナーなどもあります。「お部屋を居心地の良い空間にしてくれる家具や雑貨も多数取り揃えておりますので、お気軽に足を運んでみてください」。

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ハーブティーでリラックス

ハーブとは、食用または薬用植物のうち、主として葉や茎を香料として利用するものの総称です。ハーブには、胃のもたれ、風邪、貧血の改善など様々な効能があります。ハーブティーを入れた時の良い香りは、精油成分を含んでいて、自律神経系やホルモン系などに作用し、リラックス効果をもたらしてくれます。

甘酸っぱくリンゴに似た香りのするハーブの一種カモミール。ピーターラビットの童話の中に、興奮して疲れてしまったピーターに、お母さんがカモミールティーを差し出すシーンがあるように、ハーブには高い鎮静効果や抗炎症作用が知られています。

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日本茶の成分に注目

日本茶は、カテキンやテアニン、カフェイン、ビタミン類などが含まれています。渋み成分であるカテキンや、苦み成分のカフェインは80℃以上の高温で溶け出しやすい性質を持っています。カフェインの覚醒作用は摂取後30~40分後から表れ、4~5時間持続すると言われていますので、就寝前の摂取は避けましょう。

一方、うまみ成分のテアニンなどのアミノ酸は50~60℃の低温で溶け出しやすいとされています。このテアニンは興奮や緊張を和らげてくれます。ほっとしたい時は、低温でゆっくり淹れた日本茶がおすすめです。
(出典:お茶の土倉WEBサイトより)

安眠を誘う香り

リラックス方法のひとつに「香り」があります。
アロマテラピーなど、香りには人の心理状態を変える作用があります。
眠る前にゆったりと気持ちを落ち着け、心地よい眠りに誘ってくれる香りの利用法をご紹介します。

219回の調香を経てできた「sakura 219」シリーズ。

219回の調香を経てできた「sakura 219」シリーズ。

香りで癒やされる

エッセンシャルオイルを数滴つけたタオルやハンカチを枕もとに置いたり、湯船にたらしてアロマバスにするのも手軽にできる香りの利用法。ほのかな明かりと香りを手軽に楽しみたいなら、アロマポットやアロマライトもオススメです。

「ラベンダーの香りは、気持ちがほぐれてスムーズに眠りに入れますよ」と、LAUREL(ローレル)札幌ステラプレイス店の吉田詩央さん。「香りは好みに個人差があります。テスターも用意していますので、購入する際には、実際に香りを試してみて自分が一番リラックスできる香りを見つけてください」。

9種の香り、約150種類の商品アイテムをご用意しています。

9種の香り、約150種類の商品アイテムをご用意しています。

身体も心も喜ぶ香り

北海道・砂川生まれのスキンケア「LAUREL」は、"自然素材をシンプルに"をコンセプトに、ベースとなる素材選びにとことんこだわっています。 香りのアイテムは使うたびに笑顔があふれる心地よい香りだけを厳選しています。

「当店のボディミルクは、ポンプ式で使いやすく、お風呂上りのマッサージなどにぴったりです。香水が苦手という方が、フレグランス代わりに使っているほど、ふわりとしたやさしい香りなんですよ」と吉田さん。ほどよい香りがリラクゼーション効果を高めてくれそうなアイテムです。

取材協力

2014年春掲載 ※現在とは情報が異なる場合がございます。詳しくは各店舗へお問い合わせください。

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